伝統的作品

無釉陶 ; 仕立てられた自然

日本の伝統的無釉陶において、造り手たる陶工は、素材たる土に対する心構えを可能な限り手を加えない旨を好しとしてきた。言うところの「弄ふな(いらう な)」である。素材をものとして観るのではなく他者として向き合う時、陶工の心状は素材の良さを十二分に生かすべく形而上の作業となろう。素材に他者性を 求めることは、日本の古典にみられる伝統的工芸の美意識でもある。その感性の枠組みは、一木一草それぞれに命があり、それぞれに魂の存在をみる風習であ る。それは自然への尊敬と恐れを基調とする古俗などから解るだろう。まことにシンプルで「多様性」に満ちた精神である。それら古典たる無釉陶の精神的様式 は一方の造形作品の軌道でもある。


Bowls in Sets of Five




" 入れ子組鉢 "

(w)17.7 - (d)17.7 - (h)5.5 cm / (w)31.3 - (d)31.3 - (h)8.5 cm

500 Bowls: Contemporary Explorations of a Timeless Design, Lark Books, A Division of Sterling Publishing Co., Inc.,New York, U.S.A., 2003. ー掲載ー

大英博物館





















左、" 備前蕪花生 " 右上、" 備前面取水指 " いずれも大英博物館コレクション(1996)。右下、" 備前芋頭水指 " 。
Salamoni, Amedeo. Foreword Troy, Jack.Wood-Fired Ceramics: 100 Contemporary Artists, pp.90-91, Schiffer Publishing, Ltd., 4880 Lower Vallery Road, Atglen, PA 19310, U.S.A., 2014. ー掲載ー

UNICUM_Side-fired Jar and Bottle




" 組み窯変うつわ "

(w) 38.0 - (d)16.5 - (h)18.5 cm

2nd International Ceramic Triennial UNICUM, Slovenia, European Cultural and Technological Center Maribor (EKTC), Manor Betnava, May 15 - September 30, 2012. ー出展ー
 
yohen_vases_2




" 備前窯変茶碗 "

(w)15.5 - (d)12.9 - (h)9.2 cm

500 Bowls: Contemporary Explorations of a Timeless Design, Lark Books, A Division of Sterling Publishing Co., Inc.,New York, U.S.A., 2003. ー掲載ー

茶碗、もともとそれは、日常的雑器であった。用途的時代を遡ると、それは「ゴキ」と称される木製の器であった。土を焼成し、堅牢にして衛生的な食器、飯茶 を始めとする雑器類は、茶道という精神文化の育みにより、それら器のあるものは特別のステージへ導かれた。あるものの、その前衛的視点こそが、掌中におさ ま るそれらを宇宙へと飛翔させたのだ。芸術家、茶人は、もの、作品を造らずして、かような観点を提供してくれた。これは、あのマルセル・デュシャンが、便器 を展覧会場に、自転車の車輪と椅子を作品とする、レディメイドのオブジェに相当する、観点の可能性の提供そのものにほかならない。


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